レッテル貼り
レッテル貼りとは
”レッテル貼り”とは、人や物事の多様性を無視して、単純な類型(パターン)の枠組みで捉えて、その類型の名前で呼ぶことです。具体的には以下のようなものが該当します。
具体例
自分に数度ウソをついたことを踏まえて「あいつは詐欺師だ」と言うこと
→実際には、何らかの深い事情があって数度だけウソをついたのかも知れない。この場合「あの人は私に数度ウソをついた」という表現なら事実だが、「詐欺師」と表現すると、その言葉(レッテル)が持つ典型的なイメージと、数度だけウソをついたという事実が合致しないのでレッテル貼りとなります。
ミスを犯した時に「自分は敗北者だ」、「とんまもの!」などと自分にネガティブなレッテルを貼ってしまうこと。
→レッテル貼りは、「一般化のしすぎ]が極端な形で現れたものです。レッテル貼りをすると、感情に巻き込まれて冷静な判断ができなくなります。
何ら盗みもしていない人のことを「あいつは泥棒だ」と言ったりすること
→レッテル貼りというよりは、むしろデマやウソや名誉毀損に近いです。
レッテル思考(偏見・固定観念)
レッテル思考とは、人・物事に対して自分が貼ったレッテル、あるいは他者によって貼られたレッテルだけで、人・物事に対する評価・判断を決めてしまう思考のことを言います。
人や物事の内実や実態を、ひとつひとつ自分自身で確認しなくても判断できると思い込んでいる思考形態です。
ひとつひとつ個別の内容を具体的に検討していないので、実態にそぐわない判断となることが多く、様々な問題を引き起こすことが多いと言えます。
この思考形態をしている者は自分がそのような思考をしているとの自覚が無いことも多いだけに問題は根深く、レッテル思考をする者の行動は、人権問題や社会問題の原因ともなりえます。
レッテルを貼る者の中には、最初から悪意でニセのレッテルを貼る(=デマを流す)者もいるので、他者が貼ったレッテルを鵜呑みにする傾向のある者は、本人の自覚は無いまま共犯者となってしまう場合があります。
政治の世界等では、国民・市民を意図的にレッテル思考へと誘導することで世論を操作するようなことをする者も多いです。